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環境構築

私はどの環境で開発すれば?

過去の講義資料を基にしたゆる~い案内です。 確実に授業に即しているかは分からないけど、自分の PC などで試すときは参考にしてください。

構築: コンパイラー環境

Windows

VSBT 経由の MSVC(cl.exe

  1. Visual Studio Installer をインストールする

    WinpowershellEnter で PowerShell を起動します(ショートカット: Win + XI)。
    その後、次のコマンドを実行して Visual Studio Installer をインストールします 1:

    Terminal window
    winget install Microsoft.VisualStudio.2022.BuildTools

    インストールの完了後、自動的に Visual Studio Installer が起動します。 もし起動しない場合は、スタートメニューから “Visual Studio Installer” を検索して起動してください。

  2. VSBT をインストールする

    “C++ によるデスクトップ開発” にチェックを入れ、

    • “MSVC v143 - VS 2022 C++ x64/x86 ビルド ツール(最新)”
      (バージョンは変動する可能性アリ)
    • “Windows 用 C++ CMake ツール”

    の 2 つにチェックを入れます。その後、“変更” をクリックします。

    インストールが完了するまで待機します。

    PC やネットワークの速度によっては時間を要するから、お茶でも飲んでゆっくり待ってね。
  3. MSVC のバージョンを特定する

    PowerShell で次のコマンドを実行し、どのバージョンがインストールされているかを確認します:

    Terminal window
    ls -name "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2022\BuildTools\VC\Tools\MSVC"

    すると、次のような出力が得られます(例):

    Terminal window
    14.43.34808

    これが、MSVC のバージョン番号の一例です。 これをメモしておきます。

  4. 環境変数を設定する

    MSVC のバージョンが特定できたら、次に示すパス中の緑の箇所を特定したバージョンに置き換え、クリップボードやメモ帳などにコピーしておきます 2:

    C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2022\BuildTools\VC\Tools\MSVC\{MSVC ver.}\bin\Hostx64\x64

    e.g. 14.43.34808:

    C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2022\BuildTools\VC\Tools\MSVC\14.43.34808\bin\Hostx64\x64

    パスの準備ができたら、 Winenv で “環境変数を編集” を起動します。
    その後、ユーザー環境変数セクションの Path (下図の赤枠) をダブルクリックします。

    すると、次のようなウィンドウが開きます。 ここで、“新規” ボタンをクリックし、先ほどコピーしたパスを貼り付け、“OK” → “OK” で 2 つのウィンドウを閉じます。

    今回は必ずしも PATH を通す必要はないんだけど、 IDE やツールチェインによっては必要になるから、やっておいて損は無いはず!
  5. cl.exe を実行してみる

    Windeveloper powershellEnter で、Developer PowerShell for VS 2022 を起動します(Developer Command Prompt for VS 2022 でも問題ありません)。 その後、cl コマンドを実行してみます。

    Terminal window
    **********************************************************************
    ** Visual Studio 2022 Developer PowerShell v17.13.5
    ** Copyright (c) 2022 Microsoft Corporation
    **********************************************************************
    PS C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2022\BuildTools> cl
    Microsoft(R) C/C++ Optimizing Compiler Version 19.43.34809 for x86
    Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved.
    使い方: cl [ オプション... ] ファイル名... [ /link リンク オプション... ]

    上のようなメッセージが表示されれば、インストールは成功です。

これでコンパイラー環境の構築は終わりだよ。 お疲れ様!

VSBT 経由の Clang/LLVM (clang.exe

  1. Visual Studio Installer をインストールする

    WinpowershellEnter で PowerShell を起動します(ショートカット: Win + XI)。
    その後、次のコマンドを実行して Visual Studio Installer をインストールします 1:

    Terminal window
    winget install Microsoft.VisualStudio.2022.BuildTools

    インストールの完了後、自動的に Visual Studio Installer が起動します。 もし起動しない場合は、スタートメニューから “Visual Studio Installer” を検索して起動してください。

  2. VSBT をインストールする

    “C++ によるデスクトップ開発” にチェックを入れ、

    • “MSVC v143 - VS 2022 C++ x64/x86 ビルド ツール(最新)”
      (バージョンは変動する可能性アリ)
    • “Windows 用 C++ CMake ツール”
    • “Windows 用 C++ Clang ツール (19.1.1 - x64/x86)”
      (バージョンは変動する可能性アリ)

    の 3 つにチェックを入れます 3。 その後、“変更” をクリックします。

    インストールが完了するまで待機します。

    PC やネットワークの速度によっては時間を要するから、お茶でも飲んでゆっくり待ってね。
  3. 環境変数を設定する

    次のパスをクリップボードやメモ帳などにコピーしておきます 3:

    C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2022\BuildTools\VC\Tools\Llvm\bin

    パスの準備ができたら、 Winenv で “環境変数を編集” を起動します。
    その後、ユーザー環境変数セクションの Path (下図の赤枠) をダブルクリックします。

    すると、次のようなウィンドウが開きます。 ここで、“新規” ボタンをクリックし、先ほどコピーしたパスを貼り付け、“OK” → “OK” で 2 つのウィンドウを閉じます。

    今回は必ずしも PATH を通す必要はないんだけど、 IDE やツールチェインによっては必要になるから、やっておいて損は無いはず!
  4. clang.exe を実行してみる

    Windeveloper powershellEnter で、Developer PowerShell for VS 2022 を起動します(Developer Command Prompt for VS 2022 でも問題ありません)。 その後、clang コマンドを実行してみます。

    Terminal window
    **********************************************************************
    ** Visual Studio 2022 Developer PowerShell v17.13.5
    ** Copyright (c) 2022 Microsoft Corporation
    **********************************************************************
    PS C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2022\BuildTools> clang
    clang: error: no input files

    上のようなメッセージが表示されれば、インストールは成功です。

これでコンパイラー環境の構築は終わりだよ。 お疲れ様!

w64devkit 経由の MinGW

  1. w64devkit のダウンロード

    w64devkit - @skeeto - GitHub にアクセスし、 最新のリリースの Assets から w64devkit-x64-2.1.0.exe をダウンロードします (バージョンは変動する可能性アリ) 4

    該当の EXE ファイルを管理者として起動します。

    その後、展開先を示すフィールドを

    C:\Program Files

    に変更し、 “Extract” ボタンをクリックします。

  2. 環境変数を設定する

    次のパスをクリップボードやメモ帳などにコピーしておきます 3:

    C:\Program Files\w64devkit\bin

    パスの準備ができたら、 Winenv で “環境変数を編集” を起動します。
    その後、ユーザー環境変数セクションの Path (下図の赤枠) をダブルクリックします。

    すると、次のようなウィンドウが開きます。 ここで、“新規” ボタンをクリックし、先ほどコピーしたパスを貼り付け、“OK” → “OK” で 2 つのウィンドウを閉じます。

  3. gcc.exe を実行してみる

    WinpowershellEnter で PowerShell を起動します(ショートカット: Win + XI)。
    その後、gcc コマンドを実行してみます。

    Terminal window
    PowerShell 7.5.0
    PS C:\Program Files\PowerShell\7> gcc
    gcc.exe: fatal error: no input files
    compilation terminated.

    上のようなメッセージが表示されれば、インストールは成功です。

これでコンパイラー環境の構築は終わりだよ。 お疲れ様!

macOS

後述する XCode をインストールすると、 GCC を含んだ XCode Command Line Tools がインストールされるので、この節はスキップして構いません。

XCode を使わずにコーディングする場合や、 Clang へのリダイレクトなしの GCC を使う場合は、次の手順に従ってください。 また、HomeBrew がインストールされていない場合は, こちらの記事 を参考にインストールしてください。

GCC

次のコマンドで GCC の実体を確認します。

Terminal window
gcc --version

次に出力例を示します:

Apple clang version 16.0.0 (clang-1600.0.26.6)
Target: arm64-apple-darwin23.5.0
Thread model: posix
InstalledDir: /Applications/Xcode-16.2.0.app/Contents/Developer/Toolchains/XcodeDefault.xctoolchain/usr/bin

このように、デフォルトでは、 GCC と言いつつ実体は Clang であることが分かります。 なので、このセクションでは HomeBrew を用いてピュアな GCC をインストールします。

次のコマンドを実行して、 HomeBrew 経由で GCC をインストールします 5

  1. gcc のインストール

    Terminal window
    brew install gcc
  2. gcc のバージョン確認

    Terminal window
    ls /usr/local/bin | grep gcc

    次に出力例を示します:

    gcc-11
    gcc-ar-11
    gcc-nm-11
    gcc-ranlib-11
    x86_64-apple-darwin21-gcc-11
    x86_64-apple-darwin21-gcc-ar-11
    x86_64-apple-darwin21-gcc-nm-11
    x86_64-apple-darwin21-gcc-ranlib-11

    PATH の通っている gcc のバージョンが 11 であると確認できました。

  3. /usr/local/bin/ にシンボリックリンクを作成

    Terminal window
    ln -s /usr/local/bin/gcc-11 /usr/local/bin/gcc
  4. GCC の実体を確認

    Terminal window
    gcc --version

    次に出力例を示します:

    gcc-14 (Homebrew GCC 14.2.0_1) 14.2.0
    Copyright (C) 2024 Free Software Foundation, Inc.
    This is free software; see the source for copying conditions. There is NO
    warranty; not even for MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.

Clang

Linux

GCC

スーパーユーザーとして次のコマンドを実行します 6。 WSL を使う場合も有効です。

  1. リポジトリのアップデート
    Terminal window
    sudo apt-get update
    sudo apt-get upgrade
  2. build-essential のインストール
    Terminal window
    sudo apt-get install build-essential
  3. GCC のバージョン確認
    Terminal window
    gcc --version
これでコンパイラー環境の構築は終わりだよ。 お疲れ様!

Clang

スーパーユーザーとして次のコマンドを実行します 7。 WSL を使う場合も有効です。

  1. リポジトリのアップデート
    Terminal window
    sudo apt-get update
    sudo apt-get upgrade
  2. Clang のインストール
    Terminal window
    sudo apt-get install clang
  3. Clang のバージョン確認
    Terminal window
    clang --version
これでコンパイラー環境の構築は終わりだよ。 お疲れ様!

構築: エディター環境

VSCode

WinpowershellEnter で PowerShell を起動します(ショートカット: Win + XI)。
その後、次のコマンドを実行して Visual Studio Code をインストールします 8:

Terminal window
winget install Microsoft.VisualStudioCode

インストールの完了後、自動的に Visual Studio Code が起動します。 もし起動しない場合は、スタートメニューから “Visual Studio Code” を検索して起動してください。

XCode

情報科学部の学部生に対して配布される MacBook のストレージ容量は、基本的に 256 GB。 XCode を使う講義も多いから、容量が足りない子は今後のためにも、クラウド/外部 ストレージを使うなどして、頑張って空けておこう!

VSCode は、HomeBrew Cask を使ってインストールすることができます。
もし HomeBrew がインストールされていない場合は, こちらの記事 を参考にインストールしてください。


Footnotes

  1. 開発環境: WindowsにRust(MSVC)の開発環境を構築する (2023年版) - @atsushifx - Zenn 2

  2. 開発環境: Visual Studio Build Toolsのインストール手順ガイド - @atsushifx - Zenn

  3. llvm-mingw(clang) + ninja + cmake で Windows で self-contained な C/C++ 開発環境を整える - @syoyo - Qiita 2 3

  4. WindowsにMinGW-w64をインストールする 2025年版 - @yomei_o - Qiita

  5. MacでGCCを使用し、C/C++のコードをコンパイルする - @minguu42 - Zenn

  6. スタンドアロンのUbuntuにbuild-essentialをインストール - @ryo2_9393 - Qiita

  7. UbuntuにClangをインストール - tah

  8. Getting Started with VS Code - VSCode Essentials